ムカデに刺されたら何科?応急処置・119番・受診の目安

ムカデに刺されたときの応急処置と受診目安

ムカデに刺されたら、まずムカデから離れ、患部を石けんと流水で十分に洗います。痛みがあるときは布で包んだ保冷材などで冷やしてください。皮膚の痛みや腫れが続いて病院へ行くなら、皮膚科が第一候補です。

ただし、息苦しさ、喉や唇の腫れ、繰り返す嘔吐、ふらつき、意識の変化がある場合は診療科を探す段階ではありません。すぐに119番へ連絡してください。

全身症状はないものの、救急車を呼ぶか、今すぐ受診するか迷う場合は、地域の#7119を利用できます。子どもは#8000、処置や受診の判断は中毒110番でも相談できます。

ムカデに刺された直後の応急処置3ステップ

ムカデは顎肢で皮膚を咬むため、「刺された」と表現されることが多いものの、正確には咬傷です。直後に強い痛みが出て、赤みや腫れを伴うことがあります。

慌てて患部を触り続けず、次の順番で処置します。呼吸が苦しい、ぐったりしているなどの全身症状があれば、処置より119番を優先してください。

  1. ムカデから離れて安全を確保する
    素手で捕まえようとせず、別の場所へ移ります。指輪や腕時計など、腫れたときに締めつける物は早めに外します。
  2. 石けんと流水で十分に洗う
    患部をこすらず、付着物を洗い流すようにします。傷の奥を器具でいじる必要はありません。
  3. 痛む場合は布越しに冷やす
    保冷材や氷を清潔な布で包み、皮膚の感覚を確かめながら当てます。冷やして痛みが増す場合は中止します。

次のような行動は、傷を広げたり、別のけがを招いたりするおそれがあります。行わず、洗浄と冷却に切り替えてください。

  • 口を患部につけて毒を吸い出す
  • 刃物や針で傷を切り開く
  • 患部を強く揉んだり、絞り続けたりする
  • 自己判断で熱い湯を長くかけ続ける
ムカデに刺された直後に安全な場所へ移り、石けんと流水で洗い、布越しに冷やす流れ
ムカデに刺された直後の応急処置3ステップ

日本中毒情報センターは、石けんと水で十分に洗浄した後、痛みがある場合は冷やすよう案内しています。強い痛みや気分不良、嘔吐、頭痛などの全身症状があれば受診の対象です。

ムカデに刺されたら何科?症状別の受診目安

受診先は、症状の広がりと悪化の速さで選びます。息苦しさ、嘔吐、ふらつき、意識の変化があるかを先に確認してください。皮膚の痛みや腫れだけか、体全体に変化が出ているかで、次の行動を分けます。

症状の状態優先する行動受診先
息苦しさ、繰り返す嘔吐、ふらつき、意識の変化すぐ119番救急搬送
我慢できない痛み、広がる腫れ、気分不良、頭痛早めに受診皮膚科・救急外来
局所の痛み・赤み・腫れのみで改善傾向洗浄・冷却して観察悪化時は皮膚科
ムカデに刺された後の全身症状は119番、痛みや腫れの悪化は皮膚科、局所症状のみは洗浄冷却して観察する判断図
ムカデに刺された後の症状別受診判断

息苦しさや意識の変化は119番

アナフィラキシーでは、皮膚症状のほか、息苦しさ、繰り返す嘔吐、動悸やふらつき、意識の変化などが急に現れます。次の症状があれば、様子を見ずに119番へ連絡してください。

  • 息が苦しい、ぜーぜーする、声がかすれる、咳が続く
  • 喉が締まる感じがする、唇やまぶたが腫れる
  • 強い腹痛が続く、繰り返し吐く
  • 動悸、ふらつき、顔色不良、呼びかけへの反応が鈍い

重いアナフィラキシーでも、じんましんなどの皮膚症状が出ない場合があります。皮膚の見た目だけで軽症と判断せず、呼吸や意識の変化を優先してください。

痛みや腫れが続くなら皮膚科へ

皮膚の痛み、赤み、腫れが中心なら、皮膚科が第一候補です。我慢できない痛み、腫れが広がる、症状が改善しない、気分不良や頭痛がある場合は早めに受診してください。

近くに皮膚科がない場合は、外科や内科で対応できることもあります。夜間・休日は救急外来を含め、受診前に「ムカデに咬まれた可能性がある」と伝えて対応可能か確認しましょう。

夜間・休日に判断を迷ったら電話相談

全身症状がなく、救急車を呼ぶか、今すぐ受診するか判断できないときは、電話相談を使えます。緊急サインがある場合は、相談を挟まず119番へ連絡してください。

  • #7119:大人の救急車要請や受診時期を相談。実施地域、対象年齢、受付時間は地域で異なります。
  • #8000:子どもの夜間・休日の症状や受診先を、小児科医師・看護師へ相談。受付時間は都道府県で異なります。
  • 中毒110番:処置や受診の判断を相談。大阪072-727-2499、つくば029-852-9999で365日24時間対応です。

受診までに確認しておくこと

診察では、咬まれた直後から症状がどう変化したかが重要です。記憶だけに頼らず、できる範囲で次の項目をメモしておきましょう。

受診時に伝える4項目

  • 咬まれた時刻と場所、手・足・顔などの部位
  • 痛み、赤み、腫れが広がっているか、改善しているか
  • 洗浄、冷却、市販薬など受診前に行ったこと
  • 過去の強いアレルギー反応、持病、服用中の薬

患部は、時刻が分かる状態で撮影しておくと、痛みや腫れの広がりを受診時に説明しやすくなります。撮影のために患部を強く押したり、姿勢を無理に変えたりする必要はありません。

ムカデは素手で捕まえたり、容器に入れて病院へ持参したりしないでください。安全な距離から写真を撮れた場合だけ、種類の説明に使います。

子ども・高齢者は症状の伝わり方にも注意

子どもは息苦しさやふらつきをうまく言葉にできないことがあります。いつもと違って不機嫌、元気がない、急に横になりたがる、呼びかけへの反応が鈍いなどの変化も確認してください。

高齢者や意思表示が難しい人も、年齢だけで緊急度を決めず、呼吸、顔色、嘔吐、反応、歩けるかを確認します。全身症状は119番、判断に迷う子どもは#8000、大人は地域の#7119が目安です。

過去にムカデ咬傷やほかの原因で強いアレルギー反応があった場合は、その経過も医療機関へ伝えます。前回が軽かったことだけを理由に、今回も大丈夫とは判断しないでください。

ムカデに刺された後によく迷うこと

温めるのと冷やすのはどちらがよい?

日本中毒情報センターの2024年資料では、石けんと水で洗い、痛むときに冷やすよう案内しています。温熱処置は情報が分かれており、熱傷の危険もあるため、自己判断で熱い湯をかけ続けないでください。

市販薬を使ってもよい?

年齢、妊娠・授乳、持病、使用部位、ほかの薬で選び方が変わります。薬剤師か医師に症状を伝えて確認してください。全身症状があるときは、市販薬で様子を見ず119番を優先します。

翌日も腫れていたら病院へ行く?

痛みや腫れが改善せず生活に支障がある、範囲が広がる、熱感が強くなる、気分不良などが加わる場合は皮膚科へ相談してください。迷う場合は、受診前に症状と経過を電話で伝えます。

まとめ|洗って冷やし、全身症状は119番、受診は皮膚科へ

ムカデに刺された直後は、石けんと流水で洗い、痛むときは布越しに冷やすのが最初の行動です。口で吸う、切る、強く揉む、熱い湯を長くかけ続ける行為は避けてください。

息苦しさ、繰り返す嘔吐、ふらつき、意識の変化は119番を優先します。皮膚の痛みや腫れが続く場合は皮膚科、判断に迷う場合は#7119、子どもは#8000、中毒110番を利用できます。

症状が落ち着いたら、同じ場所で再び咬まれないよう住環境も確認します。床下の湿気や虫の隠れ場所を減らす考え方は、次の記事で整理しています。