天井裏から聞こえる足音、キッチンに残るフンの跡。そんな痕跡に気づいたとき、「電気は普通に使えているから大丈夫」と思っていないでしょうか。
ネズミが電気配線をかじると、漏電やショートなどの原因になることがあります。目に見えない場所で進む配線の損傷は、火災につながるおそれもあるため注意が必要です。
ネズミによる電気配線の損傷がどのように火災リスクにつながるのか、家庭で気づけるサイン、そして電気工事士への相談が必要なタイミングを整理していきます。
もくじ
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ネズミが電気配線をかじると、なぜ火災が起きるのか
被覆の傷が漏電・ショートにつながることがある
ネズミはげっ歯類の一種で、一生伸び続ける歯を削るために硬いものをかじる習性があります。配線の外側を覆うプラスチック製の被覆も、その対象になり得ます。
屋根裏や壁の中は配線が集中していて、ネズミの移動経路にもなりやすい場所です。そこでかじり被害が起きると、内部の銅線が剥き出しになります。
露出した銅線は、近くの金属部品や別の配線と触れることでショートや漏電を引き起こすことがあります。
さらに屋根裏には木材や断熱材など燃えやすいものが多く、スパークが起きた場合は周囲の可燃物に燃え移るおそれがあります。
「少し傷がついた程度なら大丈夫」と思いがちですが、小さな傷でも湿気やホコリが積み重なることで時間とともに劣化が進み、トラブルにつながることがあります。
ネズミによる配線トラブルは見落とされやすい
「ネズミが原因の火事はめったにない」と感じるかもしれませんが、配線が傷つけば火災につながる可能性があります。
件数や原因は地域や建物の状況によって異なりますが、屋根裏や壁の中の配線被害は見つけにくく、異変に気づいた時点で早めに確認することが大切です。
ネズミの痕跡がある住宅では、配線被害の有無を外から判断しきれないことがあります。「うちは大丈夫」と決めつけず、気になる症状があれば点検を検討しましょう。
自宅で確認できる、電気配線損傷のサイン
ネズミによる電気配線の損傷は壁の中や天井裏で起きているため、直接目で確認することはほぼできません。ただ、日常のなかでいくつかの異変に気づけることがあります。
以下のような症状が出ていたら、配線トラブルの可能性を疑う目安になります。
- 理由のわからないブレーカー落ちが続く、または特定のコンセントだけ使えない
- 照明のチラつきや点滅、原因不明のコンセント不良
- 焦げ臭いにおい、壁や天井付近の変色・焼けた跡
なかでも焦げ臭いにおいや焼損跡は早めの対応が必要なサインです。配線が過熱していた可能性があるため、放置せず専門家に相談しましょう。
目で見える範囲のコンセント周辺や露出配線にかじり跡・外装の欠損・銅線の露出が見つかった場合も、早めに専門家へ相談してください。
ブレーカーが落ちていなくても安心できない理由
「ブレーカーが落ちていないから配線は安全」という思い込みは、火災リスクを見落とす原因になります。
ブレーカーは一定以上の過電流が流れたときに動くものです。しかし、配線の被覆が少し傷ついた段階では過電流が発生しないこともあります。
ブレーカーが正常でも、内部では漏電や将来のショートにつながるリスクが静かに進行しているケースがあります。
焦げ臭い、チラつき、頻繁なブレーカー落ちといった症状は、複数が重なったときほど注意度が高まります。一つの異変だけで判断するのではなく、複数のサインを合わせて見ることが大切です。
電気工事士への相談が必要な状態の見極め方
ネズミ被害の痕跡(フン・かじりカス・夜間の走り回る音)と、電気的な異常(ブレーカーの頻繁な落ち・チラつき・焦げ臭)が同時に確認できる場合は、できるだけ早く電気工事士と害獣駆除業者の両方に相談することを検討してください。
よくあるのが、ネズミを駆除しただけで終わらせてしまうケースです。ただし、かじられた配線が残っていると、駆除後も電気トラブルの原因になります。配線の診断や補修は電気工事士に相談しましょう。
役割の分担はシンプルです。ネズミの捕獲・駆除・侵入口の封鎖は害獣駆除業者が担い、かじられた配線の診断・修理・交換は電気工事士の仕事です。業者によっては両方をまとめて対応してくれるケースもあります。
電気の異常がなく、ネズミの痕跡だけ確認できるという場合でも、築年数が古い木造住宅や天井裏に配線が集中している建物では、予防的な点検を考えておく価値があります。
なお、通電中の配線に触れたり、分電盤の内部を素人が開けたりするのは感電のリスクがあります。自分で確認できる範囲は、目で見えるかじり跡・焦げ跡・においの異変など外側からの観察に限り、それ以上は専門家に任せてください。
まとめ:ネズミと電気配線の火災リスクは見えない場所で進むことがある
ネズミが電気配線をかじることによる火災は、件数が多くないとしても、条件が重なると発生するおそれがあります。注意したいのは、被害が壁の中や天井裏という見えない場所で進むことです。
ブレーカーが落ちていないからといって安心はできません。焦げ臭い・チラつき・頻繁なブレーカー落ちといった電気的な異常、またはネズミの痕跡が確認できたときは、早めに専門業者へ相談することが大切です。
ネズミの駆除と配線の点検・修理はセットで考えることで、火災リスクを抑えることにつながります。