屋根裏から物音が聞こえる、フンらしきものが落ちている。
自宅にコウモリが住み着いたかもしれないと気づいたとき、多くの人は「自分で何とかできないか」と考えます。しかし、コウモリ対策には健康面・法律面で見落としてはいけない注意点があり、安易に手を出すと思わぬトラブルを招くことも。
この記事では、対策を始める前に必ず押さえておくべき3つの重要ポイントと、専門家が実践する安全な駆除方法を分かりやすく解説します。
もくじ
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対策前に知らないと危険!押さえるべき3つの注意点
注意点1|直接触ると感染症リスクがある
日本は狂犬病清浄国ですが、コウモリが保有する可能性のあるウイルス感染リスクはゼロではありません。一般的に、咬まれたり引っかかれたりした場合は暴露扱いとなり、医療機関への相談が必要とされています。
さらに、大量に堆積したフン(グアノ)は乾燥すると粉じんとなり、吸い込むことで真菌感染症のリスクを高める可能性があるとされます。特に閉鎖空間で大量のフンがある場合や、免疫力が低下している方がいる世帯では注意が必要です。
注意点2|勝手に捕獲・駆除すると法律違反になる
多くのコウモリは鳥獣保護管理法の対象で、無許可での捕獲や殺傷は原則として禁止されています。
「害獣だから駆除しても問題ない」と思い込んで自己判断で捕まえたり、殺してしまったりすると、法律に抵触する恐れがあります。対策を行う際は、自治体への確認や専門業者への相談が不可欠です。
注意点3|繁殖期の施工は子の命に関わる
コウモリには繁殖期があり、この時期に侵入口を完全に塞いでしまうと、巣立ち前の子が閉じ込められて死亡する可能性があります。
死骸が放置されれば悪臭や衛生上の問題を引き起こすだけでなく、生態系への配慮という観点からも望ましくありません。一般的に、繁殖期は施工時期を避けるか慎重な配慮が求められるとされています。
専門家が推奨する安全な駆除方法とは
それでは、プロはどのようにコウモリ対策を行っているのでしょうか。国際的にも標準とされる手順を紹介します。
ステップ1|徹底した調査と侵入口の特定
専門業者はまず、建物の外周や屋根裏を詳しく調査します。数センチ程度の隙間でもコウモリは侵入できるため、素人では見落としがちな箇所も見逃しません。
フンの分布や鳴き声から定着規模を推測し、どこから出入りしているかを正確に把握することが、対策成功の第一歩です。
ステップ2|ワンウェイ装置による追い出し
次に行われるのが、一方向弁(ワンウェイドア)を使った自然退去の誘導です。
この装置は、コウモリが外に出ることはできても中に戻れない仕組みで、数日から1週間ほど設置することで安全に追い出すことができます。毒物を使う方法は人や動物双方にリスクがあるため、一般的には推奨されていません。
ステップ3|侵入口の完全封鎖
コウモリが完全に出ていったことを確認したら、すべての侵入口候補を耐久性のある資材で塞ぎます。
ステンレスメッシュや屋外用シーリング材などを使い、一箇所でも未封鎖があると再侵入のリスクが残ります。この工程が再発防止の最重要ポイントです。
ステップ4|清掃・消毒と環境の復旧
フンが大量に堆積している場合は、物理的に除去したうえで消毒を行います。状況によっては汚染された断熱材の交換まで必要になることも。
専門業者は防護具やHEPA機能付き掃除機を使い、粉じんを吸い込まないよう配慮しながら作業を進めます。
自分でできる対策とできない対策の線引き
では、どこまでなら自力で対応できるのでしょうか。
軽微な清掃や侵入口の確認程度であれば自分で行うことも可能ですが、以下の行為は避けるべきです。
- コウモリを直接捕まえる・殺す
- 素手で触る、防護なしでフンを掃除する
- 繁殖期に侵入口を完全に塞ぐ
特に大量のフンがある場合や、屋根裏に定着しているケースでは、健康リスクと法的リスクの両面から専門業者への依頼が安全とされています。
業者を選ぶ際は、自治体への届出や許可の有無、調査内容の明示、工程や保証の説明がしっかりしているかを確認しましょう。
まとめ:コウモリ対策は正しい知識と慎重な判断が不可欠
コウモリ対策は、「触るな危険」の理由を理解し、適切な手順を踏むことが何より重要です。
健康リスク・法律・繁殖期配慮という3つの注意点を押さえ、自分で対応できる範囲を見極めることが、安全で確実な解決への第一歩となります。
不安がある場合や大規模な被害が疑われる場合は、無理をせず専門家に相談することをおすすめします。

