自宅の軒下や庭で蜂の巣を見つけたとき、「これはどの種類の蜂だろう」「近づいても大丈夫なのか」と不安になった経験はありませんか。
スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチは巣の形や構造が明確に異なり、危険度も大きく変わります。
間違った判断は命に関わる事故につながる可能性があるため、正しい見分け方を知ることが重要です。
この記事では、巣の見た目による確実な見分け方と、それぞれの危険度を解説します。刺される前に知っておくべき決定的な違いを押さえ、適切な初動判断ができるようになりましょう。
スズメバチの巣は球体でマーブル模様|外から巣穴が見えない
スズメバチの巣の最大の特徴は、成長段階で形が大きく変化し、完成すると球体になる点です。
営巣初期の春先は提灯のような形をしていますが、7月以降になると球形に発達し、表面には独特のマーブル模様が現れます。
巣穴は外から見えず、下部に出入口が1つだけという構造も重要な見分けポイントです。
外皮で完全に覆われているため、内部は確認できません。ただし初期段階では内部が見える場合もあるため注意が必要です。
営巣場所は軒下、屋根裏、木の枝、地中など多様で、開放的な場所にも閉鎖的な空間にも巣を作ります。
特に建物内部に営巣した場合は発見が遅れやすく危険です。
スズメバチは年間約20人の死亡事故を引き起こす最も危険な蜂であり、何度も刺されることで重症化します。
特に秋は働き蜂が増加し攻撃性がピークに達するため、巣を見つけたらすぐに距離を取りましょう。
アシナガバチの巣はシャワーヘッド型|六角形の巣穴が丸見え
アシナガバチの巣は営巣期間を通じてシャワーヘッド型を保ち、形が変化しないのが最大の特徴です。
サイズは拡大しますが、形状は一貫して同じです。
見分け方で決定的なのは、六角形の巣穴が常に外から見える点です。
外皮がないため、蜂が出入りする穴が丸見えになっています。この特徴により、スズメバチやミツバチとの区別が容易です。
営巣場所は軒下、ベランダ、庭木など、人が近づきやすい開放的な場所を好みます。
このため接触事故が起きやすく、日常生活での注意が必要です。
危険度は中程度で、通常は温厚ですが巣を守るときは攻撃的になります。
実際に刺傷や死亡報告もあり、特にセグロアシナガバチやキアシアシナガバチは毒性が強いとされています。
活動期は3~9月で、夏に危険度がピークを迎えます。
ミツバチの巣は蜜蝋製の板状|密閉空間にのみ作られる
ミツバチの巣は他の2種と材質から異なります。
蜜蝋(みつろう)製の板状の巣が複数垂れ下がる構造で、ハチの巣状の六角形が特徴的です。
蜜蝋とは:ミツバチが分泌するロウのような物質のこと。
スズメバチやアシナガバチが紙のような巣を作るのに対し、ミツバチは自ら作り出した蜜蝋を使います。
営巣場所も明確に異なり、屋根裏や木の空洞などの密閉空間にのみ巣を作ります。
開放的な場所には巣を作らないため、外から巣全体が見えないケースが多くあります。
危険度は3種の中で最も低く、攻撃性が低く複数回刺されるリスクも少ないのが特徴です。
ただし毒そのものは決して弱くないため、「安全」ではなく「低リスク」と理解すべきです。
また1年中活動し、春から夏にかけての分蜂期(※巣分かれして新しい巣を作る時期)には大群が移動しますが、この時期は攻撃的ではありません。
3種類の巣を見分ける決定的な違い|比較表で一目瞭然
以下の表で、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの巣の違いと危険度を整理しました。
| 項目 | スズメバチ | アシナガバチ | ミツバチ |
|---|---|---|---|
| 巣の形 | 球体・マーブル模様(初期は提灯型) | シャワーヘッド型(変化なし) | 蜜蝋製の板状 |
| 巣穴の見え方 | 外から見えない(下部に出入口1つ) | 六角形の巣穴が丸見え | 密閉空間内で見えにくい |
| 営巣場所 | 軒下・屋根裏・木・地中など多様 | 軒下・ベランダ・庭木など開放的 | 屋根裏・木の空洞などの密閉空間のみ |
| 危険度 | 最高(年間約20人死亡) | 中(種により差あり) | 低(攻撃性が低い) |
| 危険時期 | 秋(9~11月) | 夏(6~8月) | 通年(分蜂期は攻撃的でない) |
見分ける優先順位は、営巣場所→巣穴の見え方→形の順です。
密閉空間ならミツバチ、巣穴が見えるならアシナガバチ、球体で巣穴が見えなければスズメバチと判断できます。
巣を見つけたらどうする?種類別の正しい対応
スズメバチの巣は大きさや時期に関わらず、すべて専門業者への依頼が必須です。
初期の小さな巣でも例外はありません。
自治体によってはスズメバチの駆除に対応している場合があるため、まず市区町村に相談することをおすすめします。
アシナガバチは巣が小さく人の生活圏から離れている場合、自力駆除を検討できる場合もあります。
ただし種によっては高い危険性があるため、不安な場合は業者に依頼しましょう。
ミツバチは危険度が低いものの、密閉空間での営巣は駆除が難しいため、養蜂家や専門業者への相談が適切です。
「小さいから様子を見よう」は最も危険な判断です。
蜂の巣は急速に成長し、働き蜂は短期間で一気に増加します。早期発見・早期対応が被害を最小限に抑える鍵となります。
まとめ|巣の形と危険度を正しく見分けて安全を確保
スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの巣は、形状、構造、営巣場所に明確な違いがあります。
球体でマーブル模様ならスズメバチ、シャワーヘッド型で巣穴が見えるならアシナガバチ、蜜蝋製の板状で密閉空間ならミツバチと覚えておきましょう。
危険度はスズメバチが最高、アシナガバチが中、ミツバチが低ですが、どの種も刺傷リスクはゼロではありません。
巣を見つけたら無理に近づかず、種類と大きさを確認したうえで、適切な対応を取ることが重要です。
命を守るために、正しい知識を持って冷静に行動しましょう。

